地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

JIMOTO

2021/3/26

 今日は久々にかなり暇な平日だったので、自転車で地元の河原を走ってきました。

 昔の雑木林が広がっていたイメージで行ったのですが、数年ぶりに行ったら綺麗さっぱり無くなっていて、「環境整備」と称してなぜかワンドがいくつか作られていました。

 よくわからないですが、一応かなりよさげな湿地になっていたので許しましょう 笑。

 しかしまだ工事中でワンドには入れなかったので、少し通り過ぎたところで川に近付く横道に入りました。すると素晴らしい湿地が!

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掬ってみると…

・マダラコガシラミズムシHaliplus sharpi

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醸し出す高貴なオーラがいつ見てもイイですねぇ

・コモンシジミガムシLaccobius oscillans

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最近は河川敷の常連です

 サカマキガイがウジャウジャいて不安ですが、マダラコガシラが見れただけ安心ですね。

 そして辺りを見回してみると良さそうな砂浜があったので降りると、水中で何かがウジャウジャと大量発生している!カメラで撮影して拡大してみると…

・コチビミズムシMicronecta guttata

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幼虫がお祭り騒ぎになっていました。たしかに聖書を見ると、「生息地での個体数は極めて多い」とありますが、まさかここまでとは。

 そして画面を見ていると視界を横切る甲虫が…

・ドウイロミズギワゴミムシBembidion (Bracteonstenoderum stenoderum

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エリトラにある4つの凹陥と、なによりこの体型が特徴的なゴミムシです。しかし本当にちょこまか動いてよく飛びますね、撮影者泣かせの虫。

 次に少し歩いて高架下に行くと、石がゴロゴロ落ちている場所がありました。

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いくつかめくってみると…

・カワチマルクビゴミムシNebria lewisi

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以前わざわざ遠くに行って探した子がまさか自転車で10分の場所にいるとは!複雑な心境です…

 そしてついでに…

・イセノナミマイマイEuhadra eoa communisiformis

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タツムリはよくわかりませんがとりあえず美しいです。

 

 今回は地元の力を垣間見たような気がします。何度も通って底力を引き出したいです。

 

参考文献

・中島淳ほか,「ネイチャーガイド 日本の水生昆虫」, 文一総合出版, 2020

・武田晋一・西浩孝, 「かたつむりハンドブック」, 文一総合出版, 2017

・「新訂 原色昆虫大図鑑II 甲虫編」, 北隆館, 2007