地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

丸消

2021/6/20

本日は三重県のとある池に行ってきました。というのも、実はここは昨年の晩秋にチュウブホソガムシを大量に観察している池であり、今回もその生息を確認したかったのと、夏特有の何かが出ていやしないかと期待していたためです。

早速到着して池を見渡すと、水草が前回より繁茂しています。水中を見ると、タヌキモ属の一種が目立っていました。皆さんもそうでしょうが、私もタヌキモの捕虫嚢が大好きです 笑

そして秋には遠すぎてヒシかなぁとしか思わなかった浮葉の正体がジュンサイであることが分かって嬉しかったです。

ようやく水生昆虫の採集です。とりあえず網を入れてみると、早速コツブゲンゴロウやマツモムシ、ホトケドジョウなどが網に入ります。しかし何回掬ってもホソガムシは見えないので、前回と同様に堆積した枯草を何度かふみふみしてかき混ぜてみます。

すぐさま網に力を入れてガサガサします。顔を網に限界まで近づけて虱潰しに見ていると、動きはないけれど丸っこい甲虫が入っていました。ん?んんんんん!!!

・マルケシゲンゴロウHydrovatus sp

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マルケシだぁぁぁぁぁぁ!!!かわいいぃぃぃぃぃぃ!!!

図鑑を見ながらずっと憧れていたゲンゴロウです!体型はもちろんですが、動きが緩くて最高にかわいいです!

(個人的にはコマルケシだと思ったのですが、某水昆戦士に見ていただいたところ未記載種の可能性もあるとのことで、sp止めにしておきます。)

 

そんなこんなで満足したため、ついでに近くの池に立ち寄りました。ここは前回ミズスマシが1匹だけ見られた場所であり、安定して生息しているのか気になっていたのです。早速覗いてみると、夢に見た光景が広がっていました!

・ミズスマシGyrinus japonicus

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大量のミズスマシがせわしなく水面を滑っているではありませんか!しかもその下はイトモの楽園で無印ガムシの幼虫が泳いでおり、これぞ私の思い描いていた最高の池です!

 

 

今日は素晴らしすぎる湿地を周ってきましたが、この地域にはまだまだ良い自然が沢山残されているので、今後も楽しませてもらおうと思います。

 

参考文献

・中島淳ほか,「ネイチャーガイド日本の水生昆虫」, 文一総合出版, 2020