登山採集
2021/9/12
今日はトウゲノメクラチビゴミムシの追加を得るために、論文に記載されている第2ロカリティーに行ってきました。
結果から言うと、確かに採れました・・・が、タイプロカリティーのほうがかなり楽でした。
第2は、まず到着するのに登山道を30分ほど歩かなければなりません。私のような軟弱者にはかなりキツかったです(タイプ産地は10分ほど)。
また、あまりにも落ち葉が溜まりすぎていて、確かにポテンシャルは計り知れないのですが、どこにいるかも分からないので、おそらく実際の半分以上は見逃しているでしょう。集中力の消費が甚だしいです。
そして、こちら側は登山道が整備されているおかげで登山客も多く、そちらへの対応(挨拶や説明など)も大変でした。
ただ、久々のちゃんとした登山もなかなか楽しかったです。
この後タイプロカリティーにも立ち寄り、数匹の追加を得て帰路に着きました。
しかし、一箇所だけ気になる場所がありました。
それは、春にトクヤマメクラ狙いでトラップを仕掛けた某枯れ沢です。その時は全てのトラップでムカデしか入らず惨敗しましたが、チビゴミの旬たる今アタックすればイケるのでは?と思い、立ち寄ってみました。
すると、春には気づきませんでしたが、枯れ沢の脇に良い腐葉土が溜まっているではありませんか。これは!と思い、少しずつ慎重に漁ってみます。
ああああああああああ!!!
・トクヤマメクラチビゴミムシ?Trechiama (Trechiama) misawai Matsui & Matsui, 2010
出ました!ずっと探し続けていたTrechiamaです!
ただし、私は本種とネオT. graciliorとの違いはあまり理解できておらず、本当に交尾器片からのみで同定できるのか疑問で、採集場所のみで判断しているので少しモヤモヤしています。
まあ暫定的ではありますが、これで岐阜県産Trechiama、8種中3種制覇です!
今日は新たなTrechiamaが採れて良かったのですが、トラップを仕掛けた真横で採れたというのは私の仕掛け能力がいかに乏しいか、ということであり、複雑な心境です 笑
参考文献
・Ueno, S.-I., 1980. The anophthalmic trichinae beetles of the group of Trechiama ohshimai. Bull. Natn. Sci. Mus., Tokyo, (A), 6: 195-274.
・Ueno, S.-I., 1988. Parapatric occurrence of anophyhalmic Trechiama (Coleoptera, Trechinae) in Central Japan. J. speleol. Soc. Japan, 13: 1-13.
・Matsui, M. & M. Matsui, 2010. A new anophthalmic Trechiama (Coleoptera, Trechinae) from Gifu Prefecture, Central Japan. Elytra, 38(2): 285-290.