地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

Love!Laboulbeniales!

今回は、最近話題(?)のラブルベニアについてです。 ラブルベニア教信者を増やすために、ラブルベニアの概要を紹介します。 [分類] ・広義には、子嚢菌門チャワンタケ亜門ラブルベニア綱(Laboulbeniomycetes)に属す種を指す ・学名はフランスの昆虫学者Josep…

河川間隙水掘削記録

2022/2/24 Twitterをご覧の方はご存知だと思いますが、私は今年に入ってから、とある採集方法を精力的に行っています。それは、河川敷の掘削による河川間隙水性生物の観察です。 本流の水際から5~20m程度の河川敷を掘削すると、大抵の場合深さ50~100cm前後…

地下性昆虫まとめ(2021,X~2022,II)

昨年末に結局ブログを更新できなかったので、遅ればせながら前回の更新から今までに見た地下性生物のダイジェストです。 2021/10/02 最近探し回っている某Trechiamaを求めて相変わらず某山地へ。道なき道を2時間歩き続け染み出しを掘ってみると、ものすごい…

チビゴミウェーブ

2021/9/23 最近チビゴミウェーブに乗っているので、このまま採れるのでは?と思い、奥田(2014)で混生する場所が指摘されていた2種のTrechiamaを狙いました。 報文中に書かれていた内容に沿って登山道(?)を進んでいきますが、いまいち正確な場所が分かりませ…

何度目の正直?

2021/9/19 今日は、記載中のTrechiamaに最も近縁であると思われる某メクラチビゴミムシを採集しに行きました。ここもトウゲノと同様に昔から何度もチャレンジしては敗北を続けていた場所です。 そこで、今回は前の教訓に習って記載文をしっかり読むことにし…

登山採集

2021/9/12 今日はトウゲノメクラチビゴミムシの追加を得るために、論文に記載されている第2ロカリティーに行ってきました。 結果から言うと、確かに採れました・・・が、タイプロカリティーのほうがかなり楽でした。 第2は、まず到着するのに登山道を30分ほ…

三度目の正直

2021/9/5 ちょっと本気で論文が進まないことに焦りを感じてきたので、もう一度某Trechiamaの記載論文をもう一度読み返してみます。 >>>The type locality of 〇〇 is the head of a steep narrow gully at the north-western side of the □□-tôge …… . The g…

化かされた…(2)

2021/8/29 どうも、最近ハエトリグモハンドブックを購入してハエトリ観察ツアーを行おうと考えながら毎回ゴミムシを探しているコぺムシです 笑 今日は、前回化かされた某Trechiamaを狙って某山に行ってきました。 実は前回の採集時にタイムカプセル(地中トラ…

雲と海

2021/8/7 今回は特に目的は無く、ぶらぶらと出掛けてきました。 目的が無いのでとりあえず樹上をスイープしてみると、少し小さめのクモが糸を伸ばして降りてきました。正直、クモは苦手な部類に入るので少し身構えましたが、一目見てそれが“ヤツ”だと分かり…

The last teen day!

2021/7/4 今日はとあるガムシを某水昆戦士にお渡しするために某昆虫館に行ってきました。さすがスーパー戦士だけあって、素晴らしいお話を聞くことができ、有意義な時間になりました! ついでに昆虫館を一通り見た後、まだまだ時間があったので近くの山へ。…

丸消

2021/6/20 本日は三重県のとある池に行ってきました。というのも、実はここは昨年の晩秋にチュウブホソガムシを大量に観察している池であり、今回もその生息を確認したかったのと、夏特有の何かが出ていやしないかと期待していたためです。 早速到着して池を…

こ、このガムシは…!?

2021/6/19 今日は暴風雨でしたが、せっかくの休みに採集できないのも嫌なので、ずぶ濡れ覚悟で近所の河川敷に行ってきました。 河川敷の中央に池があって、前から堤防を通り過ぎる度に気になっていた場所です。 早速水溜まりをガサガサしてみると、黒い甲虫…

化かされた…

2021/5/15 とある山の通行止めがようやく解除されたため、論文に必要な某Trechiama(nagahinis種群)を狙ってきました。 とりあえず一本目の沢に到着。沢を上がろうとすると、手元の草にヨモギハムシ似のハムシがわちゃわちゃしているのが見えましたが、ヨモギ…

海無し県民、海へ行く

2021/5/2 この日向かったのは、小さな頃から釣りによく来ていた三重県の某海岸です。津波対策で環境も大きく変わり続けていますが、なんとか保全されている場所も残っています。その中でも今回降りたのはこの砂浜です(場所が分かりにくいように撮りました)。…

ぬぅ…

2021/5/1 今日はちょっと遠出をして某メクラチビゴミムシを狙いに行ってきました。 しかし本命の渓谷はなんと来年初頭まで道路工事!ということで仕方なく近くの違う渓谷に。 しばらく登るとイイ感じの沢が見えたので車から降りたその時、上から何かが落ちて…

MY BIOTOPE 経過報告

今まで気付いていませんでしたが、いつのまにか以前紹介したビオトープがgoogle mapの航空写真で確認できるようになっていました!(MY BIOTOPE - 地下湿地定期便 (hatenablog.com)) そしてこの写真に基づいて現在のビオトープをイラストにしてみました。こん…

時期尚早…

2021/4/10 今日は某Trechiama属メクラチビゴミムシを狙いに県境付近に北上してきました。 しかし麓では工事が行われていて、それを横目に不安を抱きながら山道を登っていくと、やはりすぐに通行止めになってしまいました。どうやら5月下旬まで止めてあるよう…

近所の水路

今日も河川敷採集です。狙いは砂浜のゴミムシ類、今まであまり行ったことのなかった川に行ってきました。 しかし探せど探せど昆虫自体の影が薄くて甲虫の1匹もいません。良い森はあるのに何故だろうと思いましたが、倒木が全く無いところなどを見ると、この…

マスカット県遠征

2021/4/3 今回は某依頼を受けて岡山に有眼チビゴミムシを採集しに行きました。向かうは道もない森の中にある2階立の洞窟です。 片道5時間、到着したのはまだ白んでもいない早朝でしたが、実は以前訪れていたので楽々辿り着くことができました。 一階から入洞…

KINJO

2021/3/30・31 一昨日も行った近所の河川敷の中でも沼が大量に存在する地点があるのですが、今回は二日続けてそこに行ってきました。 ここの沼自体は、ミシシッピアカミミガメが日向ぼっこをしてカムルチーが優雅に泳いでアライグマの足跡がそこら中にある最…

砂浜の河川敷

2021/3/29 私の家は某河川中流域に存在しているのでよく河川敷に行くのですが、その種類は大きく2つに分けられます。土と砂です。本来砂浜が広がっていたそうですが、盛り土や植樹の影響で今では土の河原が殆どを占めています。 そうして今でも僅かに存在し…

狙いのあの子

2021/3/27 本日は某山固有のTrechiama属メクラチビゴミムシを探しに県境付近に行ってきました。 実はその種、とんでもなくたちの悪い洞窟に生息していてタイプ産地での採集はまず不可能なのです。さらに周囲に沢が無い&そもそも立入禁止であることも重なっ…

JIMOTO

2021/3/26 今日は久々にかなり暇な平日だったので、自転車で地元の河原を走ってきました。 昔の雑木林が広がっていたイメージで行ったのですが、数年ぶりに行ったら綺麗さっぱり無くなっていて、「環境整備」と称してなぜかワンドがいくつか作られていました…

MY BIOTOPE

私には大切なフィールドがいくつかありますが、その中でも特に大事な場所が一箇所あります。それは自分で作ったビオトープです。 私の水生昆虫好きは昔から親戚の内でも有名だったのですが、中学生の時、そのことを強く気にかけてくださった方が「自分の土地…

赤くて刺す魚

2021/3/22 最近は河川敷に行くと淀みで昆虫ばかり探していましたが、久々に魚が見たいという欲求に駆られ、常に水量が安定している県内の某川に行ってきました。しかし前日の雨で川はかなり増水して流れも速く、危険と隣り合わせの観察でした。 安全そうな場…

水中に挑みし者

2021/3/20 今日はお彼岸ということで県内の親戚の家を廻り、空いた半日でまたまた河川敷に行ってきました。目的は特に無く、キボシツブゲンゴロウやダルマガムシでも見られれば嬉しいなぁ、というゆるい感じで河原を歩きます。 すると目の前を仕切りに何かが…

河川敷

今週もまたまた県内の河川敷へ行ってまいりました。狙いはマルクビゴミムシ類とダルマガムシ類です。 先週より少し上流に狙いを定め、石起こしをしながら川べりをとにかく歩き回りました。 とにかく大量のカワチゴミムシ、ヒメカワチゴミムシ、ノグチアオゴ…

啓蟄後の河川敷

啓蟄が過ぎた一昨日、某川下流の河川敷の水辺を散策してきました。 目的は様々ありましたが、主にセスジゲンゴロウ属とダルマガムシ科でした。 堤防に沿って下流に近付くにつれて河川敷も広くなるのですが、草や木が密集していて川べりには近付けそうもあり…

水生昆虫履歴書

この勢いで水生昆虫について既採集科を連ねておきます。 ➀コガシラミズムシ科 コガシラミズムシPeltodytes intermedius、クビボソコガシラミズムシHaliplus japonicus、マダラコガシラミズムシH. sharpiを採集済 ②コツブゲンゴロウ科 コツブゲンゴロウNoteru…

チビゴミ履歴書

現在最も力を入れている分類群はチビゴミムシ亜科なのですが、狭義の”チビゴミムシ”にあたるチビゴミムシ族 Trechini に着目してみると、現在日本で記録されている32属のうち8属を採集していることになります。 この場を借りて挨拶代わりに既採集属をご紹介…