地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

三度目の正直

2021/9/5

ちょっと本気で論文が進まないことに焦りを感じてきたので、もう一度某Trechiamaの記載論文をもう一度読み返してみます。

>>>The type locality of 〇〇 is the head of a steep narrow gully at the north-western side of the □□-tôge …… . The gully is very wet and filled with rock debris mingled with dead leaves. ……

なるほどなるほど。

…ん?まさか単純に峠の北西側ということか?

ということは………まさかあそこか!?

ようやく記載文の謎が解けました。まさかあの場所だったとは…

 

ということで車でとある地点まで行き、徒歩でどんどん歩いていきます。

すると300mほど歩いたところで、水が全く無い超絶急斜面のgullyを見つけました。

あまりにも急すぎて、本当にここなのだろうか?と半信半疑になりながらも、両脇の壁に足をかけながら少し登って落ち葉を除けます。想像以上に落ち葉が堆積しています。

落ち葉の下には腐葉土に埋まった石があったため、とりあえず引っこ抜いてみます。

!!!!!

・トウゲノメクラチビゴミムシ Trechiama dispar

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あまりにも急なことに驚き、気付いた時には容器の中にヤツがいました!

前回のやつとは違い、体色も濃ければ痕跡眼もはっきりとしています。

交尾器を抜く前に言うとまた化けそうですが、これはさすがに本命でしょう!

やっぱり記載文を読み込むことは大切ですね。まあ今まで得た地理感が謎解きの手助けになったので、これまでの採集も無駄ではなかったと思っておきます。

ただ、これで論文が進まない言い訳ができなくなったので、絶対に今年中に書きあげます!

(あぁ、言ってしまった…笑)

 

 

参考文献

・上野俊一, 1988, Parapatric Occurrence of Anophthalmic Trechiama (Coleoptera, Trechinae) in Central Japan, Journal of the speleological Society of Japan, 13: 1-13.