地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

赤くて刺す魚

2021/3/22

 最近は河川敷に行くと淀みで昆虫ばかり探していましたが、久々に魚が見たいという欲求に駆られ、常に水量が安定している県内の某川に行ってきました。しかし前日の雨で川はかなり増水して流れも速く、危険と隣り合わせの観察でした。

 安全そうな場所を探していると、比較的流れのゆるやかなところにイイ感じに石が積み上がっているではありませんか!そこで下流に網を構えながらガラガラと崩してみると、何かが網に入りました!こ、これは…

・アカザ Liobagrus reini

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冒頭から素晴らしくキュートな子が来てくれました!絶妙な体型と、控えめで上品な赤色、何本もの長い髭が最高に可愛いです!

そしてしばらく透明なケースに入れてひたすらに愛でていると、右胸びれになにかが付着していることに気付きました。暴れても離れないところを見ると、ゴミではなく、何かに寄生されているようです。現地ではよく分からなかったため、自宅に持ち帰って撮影してみました。

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5mm前後で微妙な模様があります。当初私はイカリムシの類だと思ったのですが、それにしてはなんだか柔らかそうだなあと思いネットに投稿してみると、ウオビル科というヒルの仲間ではないかとご教授いただきました。どうやらウオビル科は淡水~海水に生息する魚類やカニに寄生するらしく、安易な同定はやめておいたほうがよさそうです。

 

 その他にもヨシノボリやシジミガムシ類、ミズギワゴミムシ類も多く、とても楽しい採集でした。

 

参考文献

・増補改訂 山渓ハンディ図鑑15「日本の淡水魚」, 山と渓谷社, 2019

・長澤和也ほか,2008, 日本産ウオビル科およびエラビル科ヒル類の目録(1895-2008年)