地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

The last teen day!

2021/7/4

今日はとあるガムシを某水昆戦士にお渡しするために某昆虫館に行ってきました。さすがスーパー戦士だけあって、素晴らしいお話を聞くことができ、有意義な時間になりました!

ついでに昆虫館を一通り見た後、まだまだ時間があったので近くの山へ。私の腕ではあまり昆虫は見つけられませんでしたが、帰り際に木の幹に何かが止まっているのが視界に映りました。モスキートな体型をしているが、異常にデカいし綺麗…これはまさか…

・トワダオオカToxorhynchites towadensis

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脚が長いので予想外に大きく見えて驚きました!聞くところによると、水が溜まっているところに産卵する性質を利用して本種を効率よく採集するタイヤトラップなるものがあるらしく、あまりにも本種と縁が無い私はこの奥の手を使おうと思っていましたが、今回それに頼ることなく拝むことができたので良かったです。

 

次はチビゴミを狙って某ダムに流れ込む沢に向かいました。降りてみると、少し有機質な感じはしますが脇は植物が茂り、良さそうな場所です。

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沢の中を歩いていると、茂みからアメンボが出てきて、私に驚いて騒ぎ始めました。アメンボに囲まれて楽しいなあと思っていると、アメンボの割にはとんでもないスピードで水面を滑る昆虫がいるようです。視界に入れるのも大変ですが、念のために持ってきていた網でエイヤッ!と勢いよく掬ってみます。するとそこには激しく跳ね回る甲虫の姿が!

オナガミズスマシOrectochilus regimbarti regimbarti

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こちらも初めて見ました!本家ミズスマシより大きくてシュッとしていてカッコいいです!しかし滑るスピードが半端じゃないですねぇ。小さな網では水の抵抗も相まって全く入りません。素晴らしい進化!そして絶対に普通種ではない!笑

 

もうチビゴミどころではなくなったのでついでに水中をのぞいていると、黒い物体が動いているではありませんか!見慣れぬ甲虫でしたが、頭にヌッと名前が浮かんできました!これは…

・クロサワドロムシNeoriohelmis kurosawai

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夏の名物ヒメドロらしいですが、私は初めて出会いました。デカくてカッコいいですね!そして流木を持ち上げたり網でガサガサせず、ルッキングでヒメドロを見つけたのは初めてです。

 

翌日が二十歳の誕生日という十代最後の採集でしたが、面白いものを沢山見ることができて大いに楽しめました。ただ、チビゴミが探せなかったのは心残りなのでまた行きたいです。

 

参考文献

・中島淳ほか,「ネイチャーガイド日本の水生昆虫」, 文一総合出版, 2020