地下湿地定期便

地下や湿地の生物をただただ愛でる日記

KINJO

2021/3/30・31

 一昨日も行った近所の河川敷の中でも沼が大量に存在する地点があるのですが、今回は二日続けてそこに行ってきました。

 ここの沼自体は、ミシシッピアカミミガメが日向ぼっこをしてカムルチーが優雅に泳いでアライグマの足跡がそこら中にある最悪な状況ですが、大きな改修は受けていないため、陸上の昆虫たちはかなり多様です。

~1日目~

 着いて早速、未舗装の道に覆いかぶさる落ち葉をどけてみると大きな甲虫が!

・スナハラゴミムシ?Diplocheila elongata

・オオゴミムシ Lesticus magnus

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これはかなりグレーな個体ですね。大顎はほぼ左右対称で上翅も光沢が強いという点では無印ですが、前胸が前方で広くなりまつ毛(笑)が2本という点ではオオスナハラD. zeelandica の特徴を持っています。交尾器を取り出してみないと分からなさそうです。

[訂正 3/31]よく見たらまっっったく違う種でした。スナハラゴミムシと見間違えるとはバカじゃなかろうか(バカです)。

 次に藪漕ぎをして沼に行き、水辺に転がっている倒木をどけてみます。すると何かが爆走!

・ヒメキベリアオゴミムシ Chlaenius inops

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へっぽこコぺムシは虫屋十数年にして初めてのキベリアオゴミムシ類です 笑 いやぁ、綺麗ですなぁ

 この日は用事があったのでこれにて帰宅。

~2日目~

 今日は新たな武器”熊手”を持って昨日とは違う沼へ行きました。昨日の帰りにここで大型二枚貝の死骸を見たのでそれを狙いに来たのです。

 まずは手始めに水辺の倒木をひっくり返す。すると小さな貝が木の裏にいくつも引っ付いていました…

・ハブタエモノアラガイ Pseudosuccinea columella

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殻の形はカッコいいですが、一応北アメリカ原産の外来種です。

 そして横を見ると、ものすごく良い雰囲気の倒木が!

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何が走り出してもいいように集中して一気にひっくり返しますが、何も走りませんでした。しかし何か黒いものがいます。手にのせてよく見ると…

ヒラタクワガタ Dorcus titanus

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しかもなんとペアでした!記憶している限り人生初のヒラタクワガタです!オスは想像よりかなり小ぶりでしたが、私にはこれぐらいのほうが可愛いと思えます。

 次に沼の浅瀬を熊手で掘りまくりますが、何も出てきません。諦めようと思いましたが、沼と沼をつなぐ水路が多少の石を含んでとてもいい感じだったので、何度か引っ搔いてみました。すると石ではない物体が…

・イシガイ科の一種 Unionidae sp

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やっと出ました!人生初のイシガイ型二枚貝です!おそらくヌマガイの子供だと思われますが、よく分かりません。

 

 今日も今日とて近所の川に沢山遊ばせてもらいました。イシガイの仲間が採れたのはかなりの収穫です。どんどん河川敷の改修が進んでいますが、やはりまだまだ可能性はあります。

 

参考文献

・「改訂 原色昆虫大図鑑 II 甲虫編」, 北隆館, 2007